最近飲んでるお茶 2021年12月の部 ――マーガレッツホープ、白毫銀針、ルフナのアールグレイ

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おはせろ!せろりんです。

おれが最近飲んでいるお茶を紹介する謎の企画、12月の部です。

ダージリン セカンドフラッシュ マーガレッツホープ茶園(TEAPOND)

インドの北のほう、ヒマラヤの麓で採れる有名高級紅茶「ダージリン」です。マーガレッツホープ茶園の茶葉で、ロットはDJ-134ってやつです。

ダージリンは収穫時期によって味がぜんぜん違うので、一部の紅茶オタクはこしゃくにも収穫時期を指定してお茶を買います。収穫時期は大きく分けて春、夏、秋の3つがあり、今回買ったのは夏摘みのお茶です。

春摘みは春っぽいさわやかな風味が、夏摘みは夏っぽい豊かな香りが、秋摘みは秋っぽいまろやかな味が楽しめます。

缶入りで50g2376円でした。

ダージリンと一口に言ってもメチャいろいろな茶園があり、それぞれの茶園によって味がぜんぜん違うので、一部の紅茶オタクはこしゃくにも茶園を指定して茶葉を買います。

今回買ったのは「マーガレッツホープ茶園」で、ダージリンの中ではかなり有名で評判も良い茶園のお茶っ葉です。

ダージリンには、花の香りがするやつもいればフルーツの香りがするやつもいるんですが、コイツはどちらでもなく、なんかのハーブの香りがします。なんのハーブなんだよ、と聞かれると答えにくいんですが、とにかくなんかのハーブの香りがします。

味わいは非常にスッキリしていて、清涼感のある香りによく合っています。あまり紅茶らしさを感じさせない薄味のお茶です。しかしダージリンらしい清涼な渋みはそれなりにあるので、味が薄すぎることは決して無く、飲みごたえとキレを両立させることに成功しています。

単一の茶園で採れた高いダージリンの中には、香りはめちゃくちゃよくても味と調和が取れていなくて素直に美味いとは言えないものもあるんですが、コイツは味もひっくるめてマージでうまいです。

せろりん的に2021年のセカンドフラッシュで一番うまいのは(今のところ5種類くらいしか飲んでないですが)コイツに決定です。

雪野日陽 (CV 大野柚布子)「お願いマーガレット」 | 音楽少女 | キャラソン

ダージリンの茶園には「バダンタム茶園」「ギダパール茶園」みたいなインドの言語感が丸出しの名前もあれば、「ハッピーバレー茶園」「ロングビュー茶園」みたいな明らかに西洋人が名付けた名前もあります。

西洋人が名付けた感丸出しの「マーガレッツホープ茶園」の名は、茶園オーナーの娘・マーガレットさんにちなんだものです。マーガレットさんはある日結婚のためイギリスに帰国することになってしまい、風光明媚な茶園を離れることを惜しみながらも、イギリス行きの船の中でご病気で亡くなられてしまったんだそうです。で、マーガレットさんの「いつかこの茶園に戻ってきたい」という希望の気持ちを込めてマーガレッツホープ茶園の名がつけられたらしいです。

・・・という紅茶オタクの間ではかなり有名なウンチクがあり、この話はマーガレッツホープの紅茶を取り扱うお茶屋さんの商品説明にほぼ必ず載っています。それはそうと、マーガレットさんが死ぬ前はなんて名前だったんだろう、みたいなことを考えながら遅い時間にダージリンを飲むと気になって夜も眠れません。

白毫銀針(天仁茗茶)

神戸の中華街にある烏龍茶専門店「天仁茗茶」に行ってきました。烏龍茶を中心にガチな中国茶がいろいろ売られているガチなお店でした。おれはと言えばコイツを買いました。

白毫銀針です。

中国茶には名前に色が含まれたものがいくつかあります。「緑茶」「紅茶」「青茶(烏龍茶)」「黒茶(プーアル茶)」とかですね。白毫銀針は白茶と呼ばれるお茶の一種で、お茶っ葉が白っぽいから白茶と呼ばれています。

白茶は摘み取ったチャノキの葉っぱをほんのちょっとだけ放置(発酵)してから自然乾燥で作る原始的な加工で仕上げられるお茶です。

で、この白毫銀針は、特にチャノキの新芽だけを選んで白茶に加工したお茶です。

お茶の世界では何故か新芽がありがたがられ、紅茶でもなんでも、新芽の含有率が高いものは高値で取引されがちです。たとえば紅茶だと新芽が1,2割でも入っていればかなり高級品扱いなんですけど、一方で白毫銀針は贅沢にも新芽100パーで作った、ちょっとクレイジーなお茶です。

白毫銀針の名前の通り、白毫と呼ばれる新芽特有の白い産毛をたくさん含んでいる上に、茶葉の形が整っていて、まさに銀の針のような格好をしています。見た目からしてめっちゃ高そうな茶葉で、実際メチャ高く、50gで2700円もしました。

開封するとデーツやレーズンや干したアンズのようなフルーツの香りがプンプンしてきます。

淹れ方はいろいろな方法があるっぽく、ググってみると70℃くらいの低温で8分くらいの長時間をかけて抽出する方法が勧められていることが多いんですが、おれはシンプルに100℃4分くらいが好きです。

そういうわけで抽出しました。香りがガチでめちゃくちゃ強いです。干しぶどうのような芳醇でフルーティーな香りを筆頭に、複雑な甘い香りがします。こんなに甘い香りが強いお茶はなかなか存在しないんじゃないかと思います。

味はほんのり甘みがある程度で、かなり薄味です。新芽なので香りが良くても味はほとんどありません。個人的にはもうちょっと渋みや苦味があるとバランスがよくて良いかもと思いますけど、こういうお茶は、お茶が持っている極端な性質を楽しむものなので、バランスはどっちでもいいといえばどっちでもいいです。

白毫銀針にはカフェインがめっちゃ含まれているらしく、飲むとめちゃくちゃ目が覚めます。大学生の頃にカフェインの錠剤を飲んでテスト勉強していた頃を思い出す目の覚め方です。

アールグレイ(カレルチャペック紅茶店)

カレルチャペック紅茶店のアールグレイです。

ティーバッグ20袋入りで972円でした。

「アールグレイ」は、なんらかの紅茶葉にベルガモットとかいう謎の柑橘の香料をくっつけたお茶のことです。ベルガモットとかいう果物はアールグレイの説明をするとき以外で名前を聞くことはまず無いガチで謎な柑橘です。

さわやかでわかりやすい柑橘の香りが目立つので初心者向きな銘柄である一方で、香料の量と茶葉本来の風味のバランスで味わいがかなり変わってくるため、奥の深いお茶でもあります。

うめ~。キリッと角が立っていながらも複雑でかぐわしい柑橘の香りが口中に広がります。

やや苦味のある濃い味が、お茶全体の味を引き締めています。アールグレイって、柑橘の香りばかりが目立って味はイマイチでバランスがよくないパターンが割と多いです。しかしこのお茶は味もしっかりしており、バランスが良くてうまいです。

ベースの茶葉はルフナ(スリランカのお茶)を使用しているみたいです。6月の部で紹介したお茶と全く同じものですね~。

ルフナらしい黒糖のような甘い香りとスモーキーな奥深い香りが、ベルガモットの爽快な香りと合わさってマージで良いハーモニーを生んでいます。めちゃ美味かったです。

スナイパーソ連百合小説を読んだぞ!

終わりだよ~。

11月17日に発売されたばかりの小説「同志少女よ、敵を撃て」を読みました。

メチャメチャメチャ面白かった!いや、ガチで面白かったですね・・・。

舞台はドイツと地獄みたいな戦争をしている最中のソビエト連邦で、主人公はロシアの山奥に平和に暮らす普通の女の子です。

主人公はある日突然、村人と母親をドイツ軍の男スナイパーに殺され、村を助けに来たソ連軍の女スナイパーにも色々あって村を焼かれてしまいます。

女スナイパーは色々あって主人公をボコボコにしながら「戦いたいか、死にたいか」と問い、主人公は流石にトサカにきたのか言い放ちます。「殺す!」「ドイツ軍も、あんたも殺す!」

こうして主人公は憎きソ連軍の女スナイパーに弟子入りして、母親を撃ったドイツ軍の男スナイパーと村を焼いたソ連の女スナイパーにいつか復讐をするため、戦争に赴くのでした。

みたいなお話です。深夜アニメっぽいあらすじですよね。

基本的にこの小説は、ガチの地獄と名高い第二次世界大戦で実際に起こった作戦をベースに話を作っているので、胸糞悪い展開がかなりすごくとても多いです。しかしストーリーと描写の深夜アニメっぽさが手伝って、バーッっと読んでスカッと楽しめる超おもしろ小説に仕上がっているので、読んでいてメチャ楽しいです。

胸糞悪い展開ばかりであるにもかかわらず楽しく読める理由はもうひとつあります。この小説が百合アニメだからです。ネタバレになるので詳しいことは言えませんけど、「女の子がちょっとイチャついてるから百合!」みたいなよくあるガバ判定ではなく、マジの百合アニメに仕上がっています。読んだ人なら絶対に共感してくれるでしょう。百合オタク諸賢におかれましてはぜひ手にとっていただければと存じます。

「同志少女よ、敵を撃て」のすばらしいファンアート、もっと増えてほしいな・・・・・・・・・・・・・。

深夜アニメっぽい爽快アクション小説であり、ゴリゴリの百合アニメでもある一方で、この小説はすごいしっかりしたテーマがある小説でもあります。

実はソビエト連邦には「女の狙撃兵」とかいう漫画みたいな存在がガチで実在したらしいです。で、女性兵士に銃をもたせて積極的に戦場に投入した国って、第二次世界大戦ではソビエト連邦くらいしか無いらしいんですよね。その上でこの小説は、戦争に参加した女性狙撃兵の視点を通して、戦時性暴力の実態や、戦地に住む女性の生き方を克明に描写しています。戦争を生き抜こうとする女性たちの姿を通して「女性にとっての戦争」「戦争にとっての女性」について考える小説として書かれているわけです。ジェンダー小説ってやつですね。

この小説はあまりにもおもしろい上にテーマもすごいちゃんとしているので、今後間違いなくインターネットで流行ってアニメ化とか映画化とかするんだろうな~と勝手に思っています。オタククンってソ連とかスナイパーとか独ソ戦とか百合とかそういうの大好きッスもんね。

誇り高きモスクワの工場労働者の娘・シャルロッタ・アレクダンドロヴナ・ポポワちゃんがアニメで動いている姿が見たい!!!!

終わりだよ~。

せろりんでした。

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