【小春はさ…】スローループ聖地巡礼│越谷で鯉食って鯉釣るぞ!+6巻の感想

料理

せろりんです。スローループ6巻が発売されたぞ!

そういうわけで6巻を読んで、小春が生まれ育った埼玉県の越谷に聖地巡礼に行きました。

「鰻 割烹 仲勢」で鯉を食べて、その近くの「つりぼり屋 越谷店」で釣りをやってきました。ついでに6巻の感想を書きたくなったのでちょっとだけ書きます。

ここからネタバレありです。

「鰻 割烹 仲勢」で鯉料理を食べるぞ!

©Maiko Uchino うちのまいこ『スローループ』第6巻(株式会社芳文社,2022)p.105より引用

鯉料理が食べられるお店に行ってきました。せろりんは鯉を食べたことがないので割とドキドキしています。

仲勢ってお店です。吉永一行は鯉料理ばっかり食べていましたが、お店のジャンルとしては鰻屋さんっぽいです。

鯉が泳いでいる生簀が玄関にありました。奥の方に見える黒い影が鯉五郎です。

内装がメチャお上品で緊張してきました。

©Maiko Uchino うちのまいこ『スローループ』第6巻(株式会社芳文社,2022)p.107より引用

そういうわけで鯉こくと鯉のあらいを注文します。

席について注文を済ませると、生簀のほうに店員さんが歩いていって鯉をバケツに移して厨房に持っていきました。鯉五郎ァーーー!

じゃん。鯉のあらいです。わさびと酢味噌でいただきます。

メチャ美味しかったです。シメたばかりだからなのかコリコリしていて食感がよかったです。白身魚っぽい淡白な味でありながら旨味はしっかりしていて酢味噌に味が負けていません。

鯉ってくさみが強いんだろうな~と思っていたんですが全然そんなことはなく、言われなければ淡水魚とは思わないくらい食べやすかったです。

こっちは鯉こくです。濃いめのお味噌汁ですね。汁が超美味くて100リットルくらい飲めそうです。

鯉の味は旨味強めの白身魚って感じです。食感がフワフワしていてマジでうまかったです。

デカい鯉を使っているだけあって肉厚で食べるところが多くて嬉しかったです。

スロルと関係ないですが柳川鍋の定食も頼みました。「柳川鍋」はドジョウとゴボウを醤油とみりんで甘じょっぱく煮て卵でとじた鍋のことですね。

ドジョウは脂が乗っていて旨味が強くてふわふわしていて、鰻みたいな味でした。

このお店は鰻や鯉だけでなくいろんな川魚を取り扱っているようです。同行してくれた友人はナマズの天丼を頼んでいましたし、メニューにはスッポン雑炊もありました。ほかにも鴨料理とかふぐ料理とか馬刺しとか、レア食材をいろいろやっているみたいです。レア食材を取り扱っていて嬉しいだけでなく味付けも超美味かったです。おれはオタクなので普段ラーメンばかり食べていて、こういうちゃんとした和食のお店に行くことがあまりないので美味くて感激です。

生簀のヒラメです。口がワイルドですね。

ところで聖地巡礼にあたって一つだけ注意があります。鯉こくも鯉のあらいも、2人前からじゃないと注文できません。

せっかくの聖地巡礼ならアニメキャラが食べていた料理を全部食べたいと思うのが自然な発想かと思いますが、しかし鯉こくも鯉のあらいも1人前が910円なので、一人で行って鯉こくと鯉のあらいを両方食べようと思うと3640円(910かける4)を払った上でありえん量の鯉を食べないといけないことになります。そういうわけなので、腹をすかせて行くか、こくかあらいのどちらかを諦めるか、2人以上で巡礼するかにしたほうがいいでしょう。

つりぼり屋 越谷店で鯉かなんかを釣るぞ!

©Maiko Uchino うちのまいこ『スローループ』第6巻(株式会社芳文社,2022)p.113より引用

仲勢から車で数分のところにある屋内釣堀です。

900円払うと1時間の釣りを楽しめます。で、このお店には小物がウジャウジャいる小池(橋より手前)と大物が息を潜める大池(橋の向こう)の2種類があります。チケットを渡すときに小池か大池かを選ぶわけですが、一度選ぶと同じチケットでは池をまたいでの移動ができません。小春たちみたいに小池で釣ったあとに大池に行きたい場合はチケットを2枚買う必要があります。

とりあえず小春たちと同じように小池に行きました。

道具の持ち込みは禁止で、必要なものは一通り貸してくれます。手ぶらで釣りが体験できるので楽チンです。

リールがないシンプルな竿なので初心者でも安心です。

練り餌もくれます。ボソボソしていて使いづらかったので吉永パパの言う通り水で湿らせました。

なんかが釣れました!なんなんでしょうこの魚。鯉?

このお店はリリース必須なので、あんまり空気に晒すのもかわいそうだなーと思ってじっくり観察せずに放ってしまいました。

なんだかんだで15cmくらいの魚が2匹釣れて楽しかったです。回りを見てもなかなか釣れて無さそうだったので、おれは運がよかったみたいです。

小春はさ… ピエロなんだよ

第41話 考えたこともなかった

©Maiko Uchino うちのまいこ『スローループ』第6巻(株式会社芳文社,2022)p.121より引用

土屋みやびさん、すぐ人に噛み付く狂犬みたいな性格のくせしてまんがタイムきららヒロイン特有のばってんのヘアピンを2セットも装備していて萌えですね。

チケットを買い足して大池に移動しました。

大池は魚影が明らかにデカくて釣りごたえがありそうでしたが、いざ釣ろうとしてみると魚がスレまくっていて餌をつつくことすら無く、全く釣れませんでした。

ただ、常連っぽい雰囲気のお客さんは大物を何匹か釣っていたので、なんらかのコツは存在しそうです。奥が深いですね。

そういうわけで魚は釣れたり釣れなかったりでしたが楽しかったです。

せっかくなので小春行きつけの公園を特定したいなーと思って周囲を注意して見渡していたんですが、それっぽい公園は無く、がっかりしながら帰宅しました。

聖地巡礼レポはここまでです。

スローループ6巻の話

さて皆さんは果たしてピエロでしょうか?おれはピエロです。かなりトサカにくることを言われてもニコニコしていますし、なにか失敗してもヘラヘラしていますし、回りが自分を嫌わないでいてくれるなら損をしても構わないとすら思っています。こうしたピエロ性は、おれや小春のように極端ではないとしても、皆さんの中にだって少しはあるはずです。とはいえ、小春のピエロ性は土屋みやびに指摘されてしまうほどには程度が甚だしく、おそらく小春は自身の過度なピエロ性ゆえに様々な苦労をしてきたはずです。

©Maiko Uchino うちのまいこ『スローループ』第3巻(株式会社芳文社,2020)p.153より引用

おれや小春のピエロ性は、和を乱すようなことをした結果として手痛い失敗をしてしまった過去の体験から発生しています。小春の場合は、病気がちに育ったがゆえの寂しさや弟に対する嫉妬感から家族に対してわがままを言い続けているうちに、弟と母親を交通事故で亡くしてしまった過去の体験からピエロになってしまったようです。幼い頃の自分のわがままをどう思っていたか、不快じゃなかったか、許してくれるかは、弟と母親が生きてさえいれば直接聞いて確認を取ることができたはずなのに、死んでしまったのでもう確かめることはできません。見舞いに行かない自分のことを父親がどう思っていたか気にして落ち込んでいるひよりに対して「だから ひよりちゃんが決めていい」「ひよりちゃんの中のお父さんが 決めていいんだよ」というセリフが小春の口から咄嗟に出てきたのは、小春が自分の中の母親や弟と既に何度も対話してきたからにほかなりません。

小春の理屈で言えば、弟と母親が小春のことをどう思っていたのかは、小春の中の弟と母親が決めていいはずです。なのに、小春は自分で「私は あんまりいいお姉ちゃんじゃなかった」と決めてしまいました。その日から小春は、いいお姉ちゃんとして、いい人間として、つまりピエロとして、和を乱さずに生きていくようになったのでした。自分さえピエロを演じていれば、同じ過ちは繰り返されないのです。ピエロ万歳!

とはいえおれたちピエロは受けた屈辱を全部覚えています。「小春って悩みなさそうだよね~~」みたいなプチ失礼セリフを言われる度に、何も気にしていない素振りでヘラヘラ笑っていながらも、モヤモヤした気持ちを全て溜め込んでいます。そして、そのモヤモヤが一定量を超えるとおれたちピエロの我慢はとつぜん爆発してしまい、ブチギレて空気をめちゃくちゃにしてしまったあとにLINEをブロックするか、そうでなければ無言でしれっとLINEをブロックするか、そうでなければ引っ越しやクラス替えを機に距離を取ることになります。友達の多そうな小春が久しぶりに越谷に帰るというのに会って遊んだのが土屋みやびだけだったのは、小春にとっての本当の友達が土屋みやびだけで、失礼なことを言ってくる連中とはもうあまり関わりたくないと心のどこかで思っていたから、なのかもしれません。

そういうわけで、ピエロ側が一方的に我慢を重ねるのは、ピエロ本人にとっても相手にとっても望ましいコミュニケーション方法ではありません。おれたちピエロがもしピエロでなければ、もっと賢くてクレバーなコミュニケーションのとりかたがあったはずです。たとえば、ムカつくことをされてもその場で「そういう言い方はちょっとやだな」とか「唐揚げ、最初はレモンかけないで食べたほうが美味しくね?笑」のように、相手の嫌なところをやんわりと指摘して、モヤモヤした気持ちをその場でガス抜きしつつ相手の言動を自分好みに矯正することができたはずです。わがままを言い過ぎるとジコチュー扱いされて破滅してしまう一方で、ピエロとして自分だけ我慢を続けても、最終的には人間関係が破滅します。きっとジコチューとピエロの間にはちょうどいい塩梅(流行りのカタカナ語を借りれば、アサーティブな領域)があるはずで、そこを狙っていける人間こそが真実のコミュ強なのかもしれません。

©Maiko Uchino うちのまいこ『スローループ』第6巻(株式会社芳文社,2022)p.172より引用

ピエロとして損をし続けてきた小春にとって、まっすぐに言葉を伝えてくれるひよりは、姉妹としての相性がとても良いように見えます。まっすぐに言ってくれる人には、自分もまっすぐに言葉を返せるからです。このコマでも、小春は「もーいっかい 言ってー♪」とピエロ丸出しの返事をすることもできたはずなのに、そうはできませんでした。小春はひよりの前ではピエロをやめて素の状態で接することができるのです。

吉永恋が「今の小春はどっちかというとジョーカーな気がするわ」と言っているように、ひよりと出会ってからの小春は、(土屋みやびが知らないだけで)既にピエロでは無くなっているのかもしれません。ところで、ひよりは何故ああもまっすぐな言葉を伝えることができるのでしょうか。

©Maiko Uchino うちのまいこ『スローループ』第4巻(株式会社芳文社,2021)p.62より引用

ひよりの言葉がまっすぐなのは、きっとひよりが釣りをしているからです。おれも今回釣り堀に行って感じたことなんですけど、人間はやっぱり、釣りをしていると子供のように素直な気持ちになれます。釣れたらめちゃくちゃ嬉しいし、釣れなかったらめちゃくちゃ悔しいわけです。

釣りには「釣れますか?」という有名な定型句があります。おれたち現代人は普通に生活していても見ず知らずの他人に声をかけることなんて無いわけですが、釣りをしているときなら「釣れますか」と驚くほど自然に声をかけることができます。不思議なことに、釣りにはそういう、人間を素直な気持ちにさせる効果があるのかもしれません。少なからぬピエロ性を持っているおれたちは、釣りや狩りやキャンプや食事のように、原始的な欲求を満たすための行為を共にすることではじめて素直になれるのです。

幼い頃から父親と釣りに行って素直なコミュニケーションを重ねながら育ったからこそ、ひよりは小春にまっすぐな言葉を伝えることができるのです。

©Maiko Uchino うちのまいこ『スローループ』第4巻(株式会社芳文社,2021)p.173より引用

よく考えると、ひよりですら吉永恋に対する感謝を長年伝えることができていませんでした。ひよりが恋に自分の気持ちを伝えることができたのは、このときひよりが釣りをしていたから、なのかもしれません。考えすぎでしょうか。

スローループはコミュニケーションの在り方を描く漫画です。そしてスローループは、釣りが元々もっている「気持ちを素直にしてくれる」という性質を描いています。気持ちを素直にしてくれる趣味は釣りのほかにもいろいろあるわけですが、代表的なのはゲームでしょう。ゲームをやっているとおれたちは子供のようにキラキラした顔で楽しく遊ぶことができます。そういえば、ひよりと同じくピエロ性をほとんど持っていない土屋みやびはゲームが趣味でした。子供のように素直な気持ちで楽しめる大好きな趣味を通せば、おれたちは自分の持っているピエロ性と向き合えるのかもしれません。

©Maiko Uchino うちのまいこ『スローループ』第6巻(株式会社芳文社,2022)p.131より引用

話は変わりますが「私も…もし小春が悪く言われてたら 私が守るからね」と言っていたひよりは、そのちょっと前に、悪く言われていた吉永恋を実際に守っているんですよね。説得力があって良いな~と思いました。説得力の女、みなひーです。マジカッコいいと思います。

それはそうと土屋みやびが「そんなむかつくこと言われて なにヘラヘラしてんの?」って言ってくれたシーンもスカっとしましたね。土屋みやびもマジカッコいいです。小春と同じでおれもみなひーやみやびーのことが大好きです。それはきっと、おれや小春がピエロだからなのかもしれないですね。ヘヘ。

せろりんでした。

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