せろりんです。
突然ですが食い物のお土産には4種類あります。4種類しか無いと言ってもいいでしょう。
も く じ 🐬
お土産4類型
①伝統はあるが、特産品を使っていない
②伝統は無いが、特産品を使っている
③伝統があるし、特産品も使っている
④伝統が無いし、特産品も使っていない
そういうわけでお土産は「特産品を使っている」「伝統がある」の2つの軸で理解できます。

おれが3秒で作ったグラフを貼っておきます。3秒で作ったので位置はざっくりです。
そういうわけでお土産には①(伝統ある,特産品ない)、②(ない,ある)、③(ある,ある)、④(ない,ない)の4種類があります。
特産度とは何か
特産品とは、その土地でとれる食材や、その土地に根ざした食材のことを指します。普通に考えれば「特産品を使っているか」「使っていないか」の二値にしかならなそうですが、今回はあえて中間を設けています。
次の場合は特産度を0か100かではなく中間のどこかになるようにフィーリングで調整します。
・特産品ではあるが日本人が日常的に食べているものは減点(北海道の小豆など)
・特産品ではあるが、他の土地でも作っていて、かつ味の差がわかりにくいものは減点(北海道の牛乳など)
・その食材の存在感があまり感じられないものは減点(うなぎエキスを一応使っているうなぎパイなど)
「はっさく大福」みたいな、その土地の素材の味がバキバキのお土産と、北海道の牛乳をチョロッと使っただけの謎のクッキーとでは、その土地の素材の味を食っているという実感がぜんぜん違います。その差をグラフに反映させるためにあえて特産度を連続的な数値として定義しています。
また、例えば仙台で食べられている牛タンのほとんどは仙台産じゃないわけですが、とはいえ牛タン=仙台というイメージはとても強いので、牛タン味のプリッツには多少の特産品性があるとしています。
ただし、三重=赤福というイメージが強かったとしても、赤福そのものは特産品を材料として使っているわけではないので赤福の特産度はゼロです。
かなり人為的な基準なので異論はあるかもしれませんが、一旦これで話を進めます。
何が嬉しいかというと
こういう分類をすると何が嬉しいかというと、4種類にわけることで、4種類それぞれにいくつかの共通点が見えてくるんですね~。お土産選びの参考になるわけです。
①(伝統ある,特産品ない)
ひよこ、ままどおる、鳩サブレ、赤福など、名のしれた銘菓は大体ここになります。
定番なので安心感がありますし、伝統はあるのでその土地に根ざした感じがして、お土産としてのありがたみもあります。
伝統を守らないといけないために味がブラッシュアップされていくことは少ないですし、たいてい日持ちするように作られているので、良くも悪くも昔っぽい味です。一方で、歴史の審判を乗り越えてきた猛者揃いなので、なんだかんだで見どころのある整った美しい味をしている気もします。
何をもって「伝統がある」とみなせばいいのかはおれにもよくわかりませんが、なんとなく50年くらい前から存在していれば伝統ある判定をしてもいいんじゃないかと思っています。
②(伝統ない,特産品ある)
夕張メロンピュアゼリー(北海道)や雪塩ちんすこう(沖縄)が典型です。素材の味を活かした味わいで、その土地の自然のパワーがダイレクトに感じられます。伝統が無いゆえにじゃがポックルのような最新鋭の製菓技術を使えるのもいいですね。おれはこの領域が一番好きかもしれません。
ただし「モモ味のポテトチップス」みたいに取り合わせを考えない謎のお菓子も多いです。特産品使っときゃいいんだろ、という投げやり感のあるお菓子も紛れ込んでいる領域です。この領域の最悪は「ジンギスカンキャラメル」でしょう。
③(伝統ある,特産品ある)
全てを持ってる究極のお土産、それが(ある,ある)の領域です。
昔は甘いもの自体が貴重品で、特産品とか関係ないシンプルなお菓子のほうがお土産として好まれたからなのか、この領域にいる銘菓はあんまりありません。
お土産としてのありがたみは十分すぎるほどある一方で、伝統があるのに無理やり特産品を使っているせいで、お菓子として見ると、やや無理してる感が否めない部分もある領域です。
北海道の昆布を使ってイモの筋っぽさを和菓子として表現しつつ、ついでに洞爺湖産の豆を使っている「わかさいも」なんかは(ある,ある)領域の傑作です。
小豆島の和三盆なんかもいいですね。

おれが好きなのは山梨銘菓「月の雫」ですね。山梨のぶどうをそのまま砂糖でコーティングした和菓子です。歯ごたえと脆さの両方の性質を併せ持つ外殻の砂糖を噛むと、中からフレッシュなぶどうの味が溢れてきて超うまいです。意外にもお茶とよくあいます。江戸時代からあるらしく伝統も申し分ありません。あんまり有名じゃないお土産ですが、(ある,ある)領域の最高傑作は間違いなくこれでしょう。
果物に砂糖を合わせるのはなんとなく無粋なイメージがあるわけですが、月の雫は茶菓子としてちゃんとシナジーがあって美味いです。
千利休は客先でスイカに砂糖をかけたのを出されたときに「スイカにはスイカの味があるのだから、それを活かすのが茶人だ」みたいなことを言って砂糖がかかっていないところだけを食べるという軽いカスハラをかましたらしいですけど、千利休の時代には月の雫が無かったのでそう思ってしまうのも無理はないでしょう。
採れたての生のぶどうを使うので秋だけの限定販売です。秋に山梨に行ったらぜひ買ってみましょう。
④(伝統ない,特産品ない)
なにも持たないお菓子です。なにも持たない故に自由度が高いのが魅力ですね。東京ばな奈や堂島ロールのように、食材が特にとれず、人そのものが特産品と言えるような都市部で発展しがちです。
美味しさとオシャレさだけで勝負しないといけないので味がシンプルにわかりやすく美味しいことが多いです。結局この領域の、伝統も特産もない流行の謎のチーズケーキとかがお菓子としては一番うまいんですよね。
ただし、この領域には「万博に行ってきましたクッキー」みたいな意味不明なお土産もあって玉石混交です。
お土産にはその土地を紹介する性質があるわけですが、特産品も伝統も無いというのはお土産としてなにかが欠如している気もします。流行に敏感な人には喜ばれがちな領域ですが、手土産に持っていってウケるかどうかはモノと相手によります。
終わり
そういうわけでお土産には4つしかありません。みなさんはどのお土産が好きですか?
伝統度も特産度も数字にするのは難しい尺度なので不毛かもしれませんが、(伝統,特産)を数字で表すことも可能です。赤福は(90,0)とか、月の雫は(90,100)とか、小倉トーストラングドシャは(5,15)とか、そんな感じで表すことができます。流石に不毛なので今回はやりませんが、そういう感じで議論すると面白いかもしれません。
お土産選びの参考にしてみてください。
終わり。
せろりんでした。




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