1ヶ月だけウーバーイーツの配達員をやってたぞ~

サイクリング

せろりんです。3月中に1ヶ月間だけウーバーイーツの配達員をやっていました。どんな感じだったのか書きます。

稼働エリアは主に八王子で、配達はチャリでやってました。

始めた理由は就職するまでの1ヶ月間の生活費を稼ぐためで、辞めた理由は就職したからです。

どんな仕事?

UberEatsのAIちゃん(萌えキャラ)の指示通りに出前の配達を行う仕事です。仕事の手順はこうです。

①自転車か125cc以下のバイクに乗り、配達員専用アプリを起動して待機
②客が注文をすると、UberEatsのAIちゃん(萌えキャラ)から配達員に配達依頼が来る。
③依頼された飲食店に行って料理を受け取る(ピックアップと言う)
④料理を配達する(ドロップと言う)
⑤1件あたりおよそ300円から700円ほどの報酬を受け取る

報酬は基本的に料理をピックアップした店からドロップした家までの距離で決まります。また、働ける配達員が雨で減ったり、休日やお昼時などで注文が殺到したりすると、追加ボーナス的に報酬が若干増えることもあります(ブースト)。

UberDriverアプリの画面。配達依頼を待っている状況。上の「¥1,643」はその日に稼いだ報酬の合計。

UberEatsの配達員はバイトではありません。ウーバージャパン株式会社にバイトとして雇用されているのではなく、個人事業主としてUberEatsから業務を受託している、という建前になっています。いわゆるギグワーカーというやつです。

そういうわけなので、普通にバイトをするのとはいろいろ違います。たとえば最低賃金がありません。1件500円、みたいな感じで距離と時間帯に応じて報酬が決められているんですが、自転車をちんたら漕いだり、道に迷いまくったりしていると、実質的な時給がなんぼでも下がっていきます。また、夕方なんかは注文が減るので配達依頼が全然来なくなることもあり、そうなると報酬はゼロです。

一方で、面接が無いとか、出勤したくないときは出勤しなくて良いとか、いつでも帰れるとか、様々な美点もあります。

儲かる?

おれが八王子でクロスバイクを使って配達していた限りだと、儲かりません。

1時間あたりの報酬は平均して1000円をギリ超えるくらいでした。ただし、タイヤやブレーキが消耗した分は自腹を切らないといけない上に、1日中配達すると食欲がバグって腹が減りまくるので、実質的な時給は1000円よりも低いです。東京都の最低賃金が1013円らしいので流石にもうちょっと稼ぎたいところです。このくらいの時給だったら、東京都の最低賃金で普通にバイトをやったほうが稼ぎがいいのは間違いないです。

ただし、都心で配達している人は「時給1000円くらい余裕で行くっしょ」「オレは時給2000円だぜ」みたいなことを言っている人も多いので、地域によって儲かり度は全然違うみたいです。ウーバーイーツ配達員の中には、自腹を切って電車に乗ってわざわざ都心まで通勤してレンタサイクルを借りて配達している人もいるほどで、そのくらい地域選びは大事です。

八王子配達の良くないところは、謎の山奥へ配達に行かされることです。チャリの場合、長いと5kmの配達をやらされる制度になっています。なのでUberEatsのAIちゃん(萌えキャラ)の機嫌が悪いと「5kmかつ山奥」などという最悪のハズレ配達をやらされることになります。

一応、距離に応じて報酬が変わるシステムになってるっちゃなってるんですが、東京都だと1km多く走っても54円しか報酬が増えないので、平地ならともかくアップダウンがあるとマジで割に合いません。ただ、バイクなら漕がなくていいのでチャリより肉体的には楽に稼げると思います。逆に市街地で短距離配達ばかりするならチャリのほうが有利でしょう。

配達依頼は注文が来たお店の近所にいる配達員に行くので、周囲にお店が無い山奥にいても依頼は来ません。そういうわけなので次の仕事を得るためには市街地まで帰還しないといけないんですが、どれだけ帰還が大変であっても帰還中は報酬をもらえないので、山奥配達は本当に儲かりません。

都心であれば山らしい山が周囲に存在せず、飲食店もそこらじゅうにあるので、山道5km行軍現象は発生せず、もうちょっと時給が上がるはずです。

配達地域だけでなく、配達員の熟練度によっても時給はだいぶ変わってきます。特に、道をよく知っている人は強いです。せろりんは八王子に引っ越してきてすぐに配達を始めたので、道に迷いまくって時給が低下する現象が頻発しました。

まあ、時給500円くらいにしかならないと言う人もいれば、時給2000円を超えるような人も普通にいるので、土地によるし、配達手段によるし、熟練度にもよるんだと思います。

楽しい?

ぶっちゃけ結構楽しいです。

いや、さすがに家で寝転びながらアニメ見てたほうが絶対に楽しいのは間違いないんですが、とはいえ例えば工場で謎の単純作業を繰り返したり、そのへんのコンビニでファミチキ売ったりするのと比べたら、メッチャ楽しいのはマジです。

UberEatsの楽しさは、そのゲームっぽさから生まれています。たとえばUberEatsにはクエストという制度があります。クエストは一定期間内に一定の回数の配達を達成すると追加で報酬がもらえる制度です。このスクショは数日以内に25回の配達を完了すると2250円がもらえるクエストの画面です。

「ソシャゲかよw」と笑ってしまいそうになるところですが、まさにソシャゲっぽいシステムを導入することで楽しさを演出しているのがUberEatsです。

クエストがあることによって「今日はクエストを終わらせるぞ」「終わったら帰れるぞ」「終わらなかったから明日も配達をやらなきゃいけないぞ」などという思考が発生し、労働意欲がモリモリ湧いてきます。

配達が終わるとアプリに報酬額が表示される仕組みになっていて、これも楽しさの原因の一つです。ぼーっとしていようが一生懸命働いていようが時給が変わらない普通のバイトだと、おれのような人間は一生懸命働けば働くだけ損した気分になるんですが、UberEatsの場合は働けば働くだけ得をします。達成感があって楽しいです。

UberEatsのAIちゃん(萌えキャラ)に、どこに配達に行かされるかわからないスリル感もおれは嫌いではないです。AIちゃんの指示を100パーセント聞いていると、何度か配達しているうちに何駅も離れたワケわからない場所まで配達に行かされてしまうので、正直ゾクゾクします。

そういうわけでUberEatsのアプリはゲームっぽい要素を取り込みまくることで楽しさを演出しています。人間を働かせるやり方としてはメッチャうまいやり方だなあと思う反面、悪質だなあ、危険なやり方だなあ、とも思います。Uber Eatsの配達員だけならまだしも、普通の正社員の間でこういう働かせ方が流行ったら社会はおかしくなってしまうのでは、と思わなくはないです。

UberEatsは他のバイトと違って、やっているときのストレスも格段に少ないです。うるさいことを言ってくる上司は居ないし、この作業これで合ってんのかなあと不安を感じながら慣れない作業をする必要もないし、失礼な客も少ない(居ないことはないけど基本的に数秒しか関わらないので問題ない)です。精神的にはありえないくらい快適に働けます。

UberEatsの配達員の中には、最低賃金を大きく下回る時給で働いている人もそこそこいるらしいです。正直言って気持ちはメッチャわかります。おれは時給1000円くらいでやっていましたけど、これがもし700円とかだったとしても続けたいくらいの楽しさと快適さがあります。危険だなと思います。

大変?

自転車で配達する場合、肉体的にはメッチャ大変です。

八王子の場合、1日8時間くらい稼働すると50kmから80kmくらい走行することになります。

サイクリングロードを走る快適な郊外サイクリングと違って、信号だらけの市街地を道に迷いながら走るのは、数字以上の大変さがあります。

おれはサイクリングが趣味の自転車慣れしている人間なので耐えられましたが、普段あんまり自転車に乗らない人だと最初のうちはかなりしんどいでしょう。ただ、半月も続けていれば慣れてそんなにキツくなくなると思います。

(追記)「ウーバーイーツ しんどい」などのワードで検索してきた人へ。

おつかれさまです。自転車での配達はそもそも誰がどうやってもしんどいものではありますが、自転車に慣れていない最初の時期は特に辛いはずです。基本的には慣れが重要ですが、とはいえこの辛さは、多少のコツで大幅に改善することができます。何年も趣味で自転車にのっているおれが簡単なアドバイスをします。

・最初は我慢。半月くらいやっていると筋肉がついてきて多少は楽になるはずです。ほぼ気休めレベルではありますが、配達後はタンパク質をたくさん取るようにすると筋肉が付きます。自転車はメンタルのスポーツなので気休めが非常に重要です。
・メシを食べて休憩しよう。自転車は大量のカロリーを消費するスポーツです。ロードレースの選手は、自転車を漕ぎながら菓子パンのような高カロリーの食事をパクパク食べまることで絶えず糖分を補給しています。ウーバーイーツの配達でそこまでモリモリ食べる必要はないと思いますが、カロリーが足りないと辛いですし(酷くなるとハンガーノックという力が抜けて動けなくなる現象も起こります)、何より配達中に幸福が無いとメンタルに響くので、配達がしんどいと感じているうちはこまめにおいしいものを食べるようにしましょう。ロードレース選手のように走行しながら食べる必要は無いので、配達が暇な時間にしっかりと座って休憩するといいです。
・サドルを上げよう。多くの日本人は低すぎるサドルで自転車を漕いでいます。スポーツサイクリングでは、ペダルを一番下まで踏んだときに膝がピンと伸びるか伸びないかくらいのサドルの高さが適切だとされています。
・自転車のメンテナンスをしよう。空気圧を上げ、油を挿しましょう。だいぶ違うはずです。お店で点検してもらってもいいでしょう。自転車の強度やブレーキの効きに不安があると安心してペダルを踏めません。
・ケイデンスを上げよう。多くの日本人は自転車を漕ぐときに力を使いすぎです。ギアを軽くして、足の爪先を使ってクルクルと軽快に漕ぎましょう。ペダルの回転数をケイデンスと言います。1分間に80回転くらいを目安にクルクルと回しまくる漕ぎ方をすると効率がいいとされています。1秒に1.3回くらいですね。回転を意識して漕ぐことはロードレースの基本的な練習法で、プロやガチ勢が使うような機材には大体ケイデンスを数字で出してくれるメーターが付いています。
・高い自転車を買おう。身も蓋もないですが、けっきょくマシンの性能が一番です。性能の高いスポーツ自転車や電動アシスト自転車を購入するといいです。免許があるならバイクでもいいでしょう。

(追記終わり)

自転車配達はゴリゴリの肉体労働なので、適切に休息をとる必要があります。おれは1日中働く日の場合、注文が減る15時くらいから16時の間に1時間ほど飲食店か自宅でゆっくり休憩をとっていました。それと、2日配達をしたら1日は休むように決めていました。ただしおれは雨の日は配達しないことにしていたので、実際はもっと頻繁に休んでいました。

使う機材も重要です。おれはママチャリよりだいぶ速いクロスバイクという種類の自転車を使っていました。ママチャリでも働けないことはないでしょうけど、かなりキツいと思います。電動アシスト自転車を持っている人なら(電池が切れない限りは)クロスバイクを使っていたおれよりも楽に働けるかもしれないです。

バイクでの配達はやったことがないんですが、肉体的にはチャリより格段に楽だと思います。

必要なものは?

スマホと身分証明書と自転車と口座があれば働けます。バイクの場合、125cc以下のバイクと免許証と自賠責保険証が必要らしいです。125ccを超えるバイクは法律的にダメらしいです。

面接はありません。スマホで手続きをすれば1週間ほどで働けるようになります。

「あの皆が使ってる謎のリュックはいらないの?」と思うかもしれませんが、実はあれは必須ではありません。おれはダイソーで買った保温バッグを使っていました。

自転車の後ろにダイソーの買い物かごを装着して、その中に保温バッグを入れて配達していました。メチャクチャダサいですが、べつにカッコつけるために配達するわけではないので割り切りました。

ただしこれだけだとパッケージがカゴの中でガチャガチャ動いて大惨事になるので、もうちょっと工夫をする必要があります。

そこで、おれはダイソーで買ったプラスチックの箱を活用していました。箱で隙間を埋めたり、小さい商品(タピオカなど)は箱の中に入れて固定したり、いろんな使い方ができて便利です。

こういうのを買うのは全部自腹です。皆様がUberEatsで注文した商品が無事に届いたのだとすれば、その偉業は配達員個人のちょっとした投資と工夫によって実現されています。

このケーキはウーバーイーツを引退した日に自分で買ったものです。事故らず引退できてよかった記念です。

小さい商品は箱に入れた上で隙間をビニール袋で埋めて配達していました。その上で保温バッグに入れて持ち運べば、よほど酷いパッケージングの商品以外は無事に運べます。

ただ、おれは1ヶ月で辞めることが確定していたからダイソーで揃えただけであって、もっと長く続けるつもりなら、絶対にあのバッグを買っていました。あれは4000円で買えます。昔は実質無料だったらしいですけどね。

あのバッグの素晴らしいところは、行列に割り込んでいっても白い目で見られない点です。ウーバーイーツの配達員には、店の行列に割り込んで優先的に料理を受け取っても良い特権が付与されているんですが、あのバッグが無いと配達員だと認識してもらえないので、周りからちょっと白い目で見られる気がします(被害妄想かもしれないです)。おれはデカめの声で「ウーバーイーツでーーーす」とお店の人に言うことでウーバーイーツ感を演出していましたが、バッグを持っていればそんなことはしなくても済みます。

バッグは要らなくなってもメルカリで売れば4000円のうち半分くらい戻ってくるので、長く続けるならケチらず基本的には買ったほうがいいと思っています。ちなみに(おれのときはありませんでしたが)バッグを持っていないという理由だけで文句を言ってきたり、低評価を付けてきたりする客やお店も存在するらしいです。低評価が多いとUberEatsのAIちゃん(萌えキャラ)に嫌われてしまい、配達依頼があまり来なくなり、そのへんでぼーっとツイッターをする謎の無給時間が多くなります。

ワケのわからない労働で死にたくはないので安全対策にはメッチャ気をつけていました。たとえば自転車の後ろにバカデカい反射板を装着した上で、さらに赤く点滅するリアライトも2個装着して、ついでにユニクロの蛍光グリーンのパーカーを着て、暴走族並に目立つ格好で配達していました。目立つ上にダサいという最悪の掛け算が成立してしまっていますが、とはいえカッコつけるために配達しているわけではないので割り切りました。

1日中働くとなると暗くなってからもチャリを漕がないといけないのでライトは必須です。おれは死にたくないのでフロントライトを2個付けていました。一番右のちっこい筒状のライトが「ジェントス閃」というチャリ業界では定番のライトで、乾電池で動きます。かなり明るいです。その左についているデカいのがUSB充電式の中華ライトです。ジェントス閃の8倍明るいことになっています。本当に8倍なのかは怪しいですが、ジェントス閃よりかなり明るいのは確かです。中華ライトあるあるなんですが、コイツを買うと何故かリアライトも付属してきます。

スマホホルダーは絶対にあったほうがいいです。配達をやっていると無限にナビを見ることになるんですが、その度にいちいちポケットからスマホを取り出すのは面倒すぎます。

あとモバイルバッテリーもほぼ必須です。UberEatsの配達員用アプリはバカみたいに電気を食います。

カッパもあると良いです。雨の日は時給がちょっと上がるんですが、風邪を引いたり滑って事故ったりするリスクを考えるとどう考えても割に合わないので雨の日の配達はおすすめしません。ただ、晴れの日しか配達しないつもりでも、配達中に突然雨が降ってくることは普通にあります。カッパはいざというとき防寒着にもなるので携帯しておくとよいです。

やってみ

こんなこと言うのもなんですが、一生UberEatsで食っていくのは難しい気がするので、心からおすすめできる職業かといわれるとまあまあ微妙です。でも、そのへんを納得した上で始めるならアリだと思います。

まあ、地域によって儲かったり儲からなかったり、人によって向き不向きがあったりしますけど、始めるのはメッチャ簡単で、辞めるのも特に手続きは要らないので、興味がある人は一旦やってみると良いでしょう。


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を登録するだけで、初回の注文が1800円引きに!(※① 1500円以上の注文に限ります ※② 300円ほどかかる配達手数料には適用されません ※③ 紹介者にも同じクーポンが付与され、つまりおれも1800円得してしまいます ※④一度でもUber Eatsを使ったことがある人は対象外です)

ふつうにお得なクーポンなので使ってみるといいです。

終わり。

せろりんでした。

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