東方Projectの新作シューティングゲーム「東方虹龍洞」を100億年ぶりに遊んだよ~

ゲーム

せろりんです。東方Projectの新作ゲーム「東方虹龍洞」を購入してプレイしました。

※この記事は東方のことをあまり知らない人でも理解できるように書かれた日記です。
※東方虹龍洞のネタバレがあります。ただし推理小説のトリックをバラすような致命的なネタバレは無いので過度に気にする人以外は気にしなくていいです。

Steamで買えるぞ!マジで?!

うお~~~~~東方の新作が発売されたぞ~~~~~~~~~~~~~~!

実はせろりんは中学時代をバリバリの東方厨として過ごしました。その後(多くの同年代の東方厨がそうであるように)なんとなく東方をやらなくなり、そのまま新作が出ても気づかないような腑抜けた生活を送りながらノホホンと生存しつづけて今に至ります。

ここ数年は新作が出ても「へー出たんだ」としか思わない状況だったんですが、今回はたまたまゴールデンウイークの暇な時期に発売の報せを耳にしたので、おっしゃ久しぶりにやったるか、と謎のスイッチが入って発売日に購入しました。

おれが東方の新作を買うのはたぶん東方星蓮船以来です。星蓮船は2009年に発売されたらしいので、計算してみるとおれが東方の新作をやるのは実に100億年ぶりということになります。

ビビるのが、東方がSteamに売ってるという事実です。マジか~~~。

東方は同人ゲームです。同人誌が本屋に売っていないのと同じように、東方は普通のゲーム屋さんでは買えません。そういうわけなので、昔は都会のアニメイトやメロンブックスに行かないと手に入らないような、田舎の中学生にとっては入手困難なゲームだったんですが、今どきはSteamで売っていると言うのだから驚きです。近所の伝統的和菓子屋にいつのまにかPayPayが導入されていた、みたいな衝撃があります。

「東方ってたまに聞くけど何なんだよ」と疑問に思っている人も多いでしょう。東方はシューティングゲームです。そこから派生して、漫画が出ていたり、ソシャゲみたいなのが出ていたり、格ゲーにもなっていたり、二次創作でボーカル曲がすごくたくさん出ていたりして大変ややこしいことになっているんですが、そもそもはシューティングゲームです1。飛んでくる弾を避けながら敵に弾を当てるゲームですね。東方はシューティングでありながら、ストーリーがおもしろかったり、設定がすごくちゃんとしていたり、BGMが良かったり、キャラクターが魅力的だったり、製作者が二次創作にとても寛容だったりするので、それゆえ二次創作がすごく発展しています。

アビリティカードがメチャクチャ楽しいぞ!

東方のシューティングは毎年のように新作が出ます。で、18作目となる今作「東方虹龍洞」には革新的なシステムが実装されています。東方キャラの特殊能力が封印されたカードを使うことができるのです。

巷に不思議なカード(アビリティカード)が流通していた。 そのカードには数多の人間、妖怪の秘密が込められている様だった。 何故、誰が、どうやって……。 全てが見当付かないまま、巫女は調査に出る。 

これが公式あらすじです。東方の登場人物の特殊能力をコピーしたカードが巷に出回っており、なんかちょっと不気味だから主人公が調査に出る―――というのがあらすじです。東方のあらすじは全体的にこんなかんじで、ふわっとしています。

そういうわけなので今作では、倒した敵キャラからカードを購入して、そのカードに封印されている能力を使うことが可能なシステムになっています。たとえば「アイスフェアリー」は、氷の妖精であるチルノというキャラクターの能力をカード化したものです。

「アイスフェアリー」は、持っているだけで身体から氷が飛び散り、当たったザコ敵が勝手に死んでくれる便利なカードです。

こっちは射命丸文という天狗のキャラクターの能力をカード化したものです。カードを持っているだけで、自分が弾を発射していないときの移動速度がメッチャ速くなります。速すぎて残像が見えてますね。

敵の弾をかわすときに役に立つんですが、優れた反射神経と熟練の技が必要なので、ゲームがヘタクソな雑魚が使っても無用の長物でしかありません。おれはゲームがヘタクソな雑魚なのでもちろん無用の長物となっています。

購入できるカードはとてもバラエティが豊かです。いま紹介したような東方キャラの能力を借りてくるタイプのカードだけではなく、なんとキャラクターそのものを召喚してしまう能力まであります。これはリリーホワイトというキャラを召喚するカードを使っているシーンです。このカードは所有している限り何度でも使えます。

リリーホワイトさんは、暖かくなってくるとどこからかやってきて東方の世界に春を告げてくれる大変めでたい妖精のキャラクターです。ふきのとうみたいな存在ですね。今作ではそのリリーホワイトさんを、なんとキーボードのCボタンを押すだけで呼び出すことができます。呼び出されたリリーホワイトさんは味方になってくれると思いきや、突然戦場に呼び出されてムカついてるのか知りませんが、プレイヤーのほうを攻撃してきます。プレイヤーの足を引っ張るだけのネタカードかと思いきや、実はリリーホワイトさんは絶命したときに便利アイテムを落としてくれます。このカードは、アイテム狙いで無辜のリリーホワイトを何度も召喚して何度もぶっ殺すための極めてむごたらしいカードなのです。

とても愉快なカードではあるものの別にそこまで強いカードではないので、あえてこのカードを使う人はあんまりいないんじゃないかと思います。ネタカードですね。

そんな感じで、今作には玉石混交なカードが数十種類登場します。一度敵から買ったカードは、次回プレイ時に2枚まで最初から装備していくことが可能です。その2枚に加えて、道中で倒した敵からカードを追加購入することも可能です。

実は東方は、タイトルにもよりますがシステム的にはちょっと地味なゲームです。やり込むと面白いのはマジなんですが、そこまで派手にわかりやすい面白さが存在するかと言われるとなんとも言えません。メシで言えばカレイの醤油煮みたいな感じですね。ところが今作は特殊能力をバンバン使うことができるので分かりやすく派手な面白さが備わっていて、メシで言えば大トロの寿司のような血湧き肉躍る楽しさを体験できます。

テーマはゲーミング自由主義経済

東方のキャラクターは全体的に血気盛んです。東方キャラ同士が出会うとなぜか10秒くらいで必ず戦闘が始まってしまうんですが、しかし今作では暴力でカードを手に入れることは決してできません。カード購入には必ずお金が必要です。

お金は敵をボコすことで入手できるので、結局は間接的に暴力でカードを手に入れてるじゃんという気もするにはするんですが、ともかく現れる敵はみんな口を揃えて「暴力でカードは絶対に渡さない」「商品には対価を支払うのが当然」「市場の素晴らしさを理解できないだなんて」みたいな、謎に高潔なことを言います。

東方は作品ごとにテーマがあります。テーマはUFOだったり、吸血鬼だったり、核融合だったりと取り留めがありません。で、今作「虹龍洞」のテーマがなんなのかと言えば、おそらくは「市場経済」です。さすがに18作目ともなるとテーマがシブくなってきますね。

ところで、作中に度々出てくる「市場」というワードは、実は暗にコミックマーケットのことを表しているのではないかという説がおれの中にあります。説明するのがムズいので説明はしませんがそう思う根拠はいろいろあり、今作をプレイした人ならわりと同意してくれるんじゃないかと思います。疫病のせいでリアルコミケが中止になってしまったのもあって、製作者にもいろいろと思うところがあるんだろうなあと感じました。

ところで「神の見えざる手」などとそれっぽいワードを口にしているこのボスキャラですが、全体的にデザインがゲーミングすぎます。「虹龍洞」というタイトルからもわかるように、このゲームは虹色がイメージカラーになっているようで、虹色をあしらったキャラクターやアイテムがたびたび出てきます。しかしこの人の場合は虹色というよりはRGB LEDの色と表現したほうがいいような見事なゲーミングレインボーです。ゲーミングデバイスを揃えてプレイしたくなりますね。

めちゃムズいけど楽しいぞ!

そういうわけで実に10年ぶりくらいに東方の新作を買ってプレイするという行為をしました。

東方虹龍洞には「イージー」「ノーマル」「ハード」「ルナティック」の4段階の難度があります。何を隠そうおれは東方がメチャクチャ下手、というかゲーム全般がメチャクチャ下手なので、最も簡単な「イージー」をクリアするだけで数日かかりました(イージーモードが許されるのは小学生までだと言われています)。

イージーをクリアするとエクストラという追加ステージが出現するんですが、そっちは未だにクリアできていません。一生クリアできる気がしないです。

めちゃムズいんですが、新システムの良さも相まって超楽しいです。おれみたいに昔は東方厨だった人も、東方のことを一切知らない人も、とりあえずSteamでポチってやってみるといいんじゃないでしょうか。

東方Project18作目となる今作ですが、過去17作2を一切やっていない人でもそこそこ理解できるストーリーになっています。気になった人はぜひやってみましょう。

終わり。

せろりんでした。

コメント