Audibleで聴ける百合小説を紹介するぞ!令和最新版

せろりんです。

Audibleの聴き放題で聴ける百合小説を紹介します。参考にしてください。

長いので気になったところだけ読んでいただければと思います。


●いろいろ紹介しますが全てのAudible百合小説を網羅しているわけでは全然ないです。
●おれが見落としている作品が大量にあるはずなので、ここに乗っていないAudible作品があったらコメントください。随時更新します。
●おもしろさを損ねない程度のネタバレを含みます。
●対戦よろしくおねがいします。

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光のとこにいてね


光のとこにいてね

ハ~~~、ガチのマジでヤバかった、マジのガチで何度も感情を揺さぶられました。聴き終わった後しばらく、美味しんぼの鮎を食べてるおっさんみたいになっていました。切ないとか嬉しいとか苦しいとか愛おしいとか楽しいとか、そういう感情が光みたいに降り注いでいる小説です。

団地住まいの果遠さん(小学二年生)と、何故か時々母親に連れられて団地に遊びにくる結珠さん(小学二年生)の、その後の20年ちょっとを描いた話です。二人は、とつぜん離別しては思いがけず再会してを人生で何度か繰り返すわけですが、その様子がガチで切ねえ~。ちょっとネタバレすると、タイトルの「光のとこにいてね」は二人だけに通じる別れの言葉です。最初は単に、公園の日なたで待っていてね、というだけの意味だったのが、二人が歳を重ねるにつれてメチャクチャいろんな意味が乗っかっていってヤバかったです。いまではこの本のタイトルを見るだけで脊髄反射でちょっと泣きそうになります。

この小説にはパッヘルベルのカノン(曲)が何度も登場します。で、冷静に思い返してみると小説全体がパッヘルベルのカノンみたいになっていて、すごいな~と思います。や、まじでよくできてる、これに比べると山岡さんの鮎はカスや。

メインは果遠さんと結珠さんの2人の話ではあるんですが、果遠さんの団地の隣の部屋に住むヤンキーお姉さんがメチャクチャかっこよくて優しいのもいい仕事してますねえ~(中島誠之助)。お姉さんに影響されて果遠さんがどんどんバイオレンスでアウトローにカッコよくなっていって逆境をはねのける姿は、救いの少ない前編において数少ない救いの描写です。果遠さんがバイオレンスでアウトローな行動をとるたびに、背後に隣の部屋のヤンキーお姉さんの姿を感じて、おれはすごく嬉しかったです。

この小説は主人公の二人が毒親に育てられていて、つまり毒親小説としての側面があります。でも、果遠さんが親ではなくヤンキーお姉さんの影響を受けまくってるのが、毒親なんて屁でもねえぜと言ってるようでほんとうにカッコよかったです。毒親作品あるあるとして、子供が毒親と同じことをやりがち、というのがあります。たとえば虐待されて育った人は自分の子供にも虐待をするようになる、みたいなやつです(タコピーの原罪で描写されてる感じです)。この作品もそういう毒親の連鎖みたいな描写が割りとありますけど、それでも決して陰鬱で救いのない表現にならないのは、果遠さんと結珠さんが親以外の影響も多分に受けているからに他ならないと思います。毒親小説としても百合小説としてもすごく美しい話だなと思いました。

朗読は松本沙羅さんです。作品に合った素晴らしい朗読でした。や、朗読を含めて本当にいい作品でした。Audible最高傑作説まであります。

安達としまむら


安達としまむら (電撃文庫)

言わずとしれた超有名作品ですね~。初期は(ほんとうにごく初期だけですが)、高校生の安達としまむらが授業をサボって体育館の二階で卓球をしながら気怠げな会話を交わすクールでおしゃれな雰囲気の日常百合小説って感じです。その後、1巻の真ん中あたりから急激に安達が狂ってしまい、安達がしまむらにハチャメチャなアプローチをしかける様子を描く小説になります。人間関係に意味を見いだせなかったり何をするにもやる気が無かったりする虚無人間の内心を克明に描いている点が魅力の小説なわけですが、それ以上に安達のパワフルさを楽しむ小説でもあります。

アニメの範囲は4巻までなので、アニメと被ってる部分を何が何でも飛ばしたい人は5巻から読むといいでしょう。ラノベアニメ化あるあるですけど、この作品もアニメ化されてない部分から急に面白さが増すので、アニメしか見てない人は是非Audibleで履修してみるとよいです。数ページに渡って安達がヤバいことをまくしたてるあの有名なページも5巻に収録されています(まあ、おれはあの話あんまり好きじゃないですけど・・・)。

おれが好きなのは断然8巻ですね~。最後の何行かのセリフ良すぎん?安達としまむらの全部が詰まったかのような話で、聴き終わった後、しばらく美味しんぼの鮎を食べてるおっさんみたいになっていました。

それはそうとおれはけっこうマジで安達としまむらが好きなので、当サイトには長文感想&考察やお茶購入レポートなどの安達としまむらコンテンツがたくさんあります。必ず全部読み、高評価チャンネル登録をしましょう。

彼女。百合小説アンソロジー


彼女。: 百合小説アンソロジー

7編を収録したアンソロジーです。おれでも知ってる有名な作家さんがちらほらいますね~。

それぞれ5文字程度で感想を書くぞ!

織守きょうや「椿と悠」…世話焼き委員長キャラと不摂生転校生キャラの2人がすれ違いながらも仲良くなる話ですね~。百合小説ってSFとかミステリーとかを混ぜるパターンも多いですけど、こういうシンプルに百合が主題な話はやっぱし染みます。
・青崎有吾「恋澤姉妹」…関わろうとしてきた人間を必ず全員殺す謎の姉妹を相手に、主人公が師匠の敵討ちを試みる話ですね~。メチャおもしろいです。姉妹が関わろうとしてきた人間を必ず殺す理由もなかなか悲しいような切ないような、でもわかるような凄みがありました。
・武田綾乃「馬鹿者の恋」…“馬鹿者”がマジでバカすぎて何やってんだお前ェっ!!!ってなります。お前もう船降りろ。なんかこう配慮かなぁ!?配慮が欠けていて残酷です!!何が嫌いかより何が好きかで自分を語れよ!
・円居挽「上手くなるまで待って」…大学の文芸サークルで活躍しまくるもデビューせず筆を折ってしまった主人公が、就職してしばらく経ったある日、小説投稿サイトに大学生の頃の自分の作品が勝手に投稿されているのを見つけてしまい、犯人探しにいそしむ話です。話がメチャクチャおもしれ~。でもまあ、主人公たち人間関係こじらせすぎだろ、とは思います。
・斜線堂有紀「百合である値打ちもない」…片方の顔が死ぬほど良くてもう片方がそこまででもない女2人のプロゲーマーコンビの話ですね~。ア~めちゃくちゃ悲しかった、ア~。
・乾くるみ「九百十七円は高すぎる」…駅ビルで偶然見つけた憧れの先輩が「917円?そんなにするの?」と呟いていたのを聴いて、先輩への憧れが強すぎるあまり何を買ったのか特定して同じものを買おうとする女2人の話です。おもしれ~マジで。まあ推理パートはそんなに言うほど面白くもないんですが、日常ほのぼの百合小説としてすごく心地よくて良かったです。ガールフレンド(仮)の6話(スイート・ビター・ポテト)みたいな日常系アニメの謎解き回みたいでいいですね~(おれはガールフレンド(仮)がめちゃくちゃ好きなのでなんでもガールフレンド(仮)にこじつけて話をしてしまいます)。乾くるみってイニシエーション・ラブだけ読んだことがあって、あれの殺るか殺られるかの恋愛のイメージが強すぎて勝手に身構えまくっていましたけど、こういうのも書けるんだ~って思いました。こういう感じの百合小説をもっと書きなさい(天皇)。
相沢沙呼「微笑の対価」…死体埋め百合ってやつですね~。死体を埋めます。この作品を聴いてびっくりしたんですが、死体遺棄の時効は3年なんだそうです。メッチャ短いですね。一緒に埋めに行ったとしても殺してないほうは死体遺棄しか適用されないから3年バレなければ時効になるけど殺した側には時効がないから逃げ続けないといけないの、百合小説を書くために存在するかのような法制度だなと思いました。いい仕事してますねえ(中島誠之助)。

さて、「百合」って、元々の意味通り女性の同性愛を意味する狭義の百合と、女2人以上に相互作用が発生していれば百合!みたいなノリの広義の百合があるわけです。この作品集は帯に「”百合”って、なんだろう。」と書いてあるだけあって広義のギリギリを攻める作品がわりと多かったです。

そういうわけで、全体的に暗い話やハッピーエンドにならない話や男性とくっつく話が多く、そのへんは流石に好みが分かれそうです。正直、「気が滅入る」「暗すぎる」みたいな感想もちょっとわかります。少なくとも男性が登場しただけでブチギレるようなタイプのオタクや、ハッピーエンドじゃないと許せないタイプのオタクは回れ右して帰ったほうがいいでしょう。とはいえおれはこういう記事を書いていながら実はそんなに言うほど百合にこだわりがないのでメチャ楽しく聴くことができました。どの短編も超おもしろいです。

明日の世界で星は煌めく


明日の世界で星は煌めく (ガガガ文庫)

ゾンビ百合ですね~。主人公は一生いじめられて育った友達ほぼゼロの由貴さん、ヒロインは、中学生の頃に1週間だけ主人公の友達をやっていたサバサバキャラで転校生キャラの帆乃夏さんです。

唯一の友人だった帆乃夏さんが出会って1週間で別の中学に転校してしまった後、高校生になっても主人公・由貴さんは相変わらずにっちもさっちもいかない日々を過ごしていました。ところがある日突然街に謎のゾンビが大量発生してしまい由貴さんの日常は一変します。ゾンビに襲われそうになりながら命からがら家に帰ると、家には謎の魔法の杖と、ゾンビ事件に絡んでいそうな父親の書き置きが残されていました。それからなんやかんやあって、ある日、街で由貴さんが魔法でゾンビをボコボコにしていると、そこには転校して引っ越していったはずの帆乃夏さんが居て…みたいなゾンビサバイバル百合です。

原作全3巻中、Audible版は1巻までしか出ていないので、ゾンビ要素や魔法要素についてはほとんど掘り下げがなく、正直に言うと消化不良感が否めません。やっぱし、1巻の内容で良いなと思ったのは百合要素ですねえ~。

こういう作品って、弱っちい主人公がサバサバカッコいいヒロインに一方的に助けられるストーリーになりがちです。ところが実は、主人公の由貴さんはメンタル激強で超クールでカッコいいという設定があり、作中でゾンビ相手に活躍しまくります。由貴さんが帆乃夏さんに憧れているんだと思いきや実は逆、みたいなギャップが魅力の作品です。おれってこういう記事を書いていながら実は別に百合が特別好きなわけではないんだよな~と思っていたんですが、そういうギャップみたいなのをぶつけられると流石に弱いな~と思います。先に好きになっちゃうのが侑じゃなくて橙子センパイのほうだったり、ずっと一緒にいたいと思っていたのが灯里よりアリシアさんだったり、自分がリズで奴が青い鳥だと思っていたら逆だったり、小春がひよりをふりまわしているように見えて実は逆だったり、そういうのに弱いです。

2巻以降もはやくAudible化してほしいですね~。

魔法少女育成計画


魔法少女育成計画

2016年にアニメ化もされているライトノベルです。せろりんはアニメから入りました。16人の魔法少女が殺し合うバトロワものですね~。女の子が死にまくるので覚悟の準備は必要です。

おれはこういう「かわいい女の子にグロい殺し合いさせとけばウケるだろw」みたいなジャンルがメチャ嫌いではあるんですが、悔しいことにまほいくは面白いです。悔しいです。

魔法少女が能力を使いながら戦う能力バトルモノの要素があってドキドキハラハラで面白いです。そう長くない1巻の中で16人が戦うのでガンガン人が死んでいくスピード感がありながらも、読み終わったときには魔法少女のほぼ全員が好きになってる不思議な魅力もあります(カラミティ・メアリと森の音楽家クラムベリーだけは好きになれないかもしれないです…)。

おれはまだ1作目しか聴いてないですけど、続篇がたくさんあるのでこれから楽しみです。

朗読は大森ゆきさんです。暗い内容に反して朗読が明るく淡々としていて、ギャップにより謎の魅力を醸し出しています。

みすてぃっく・あい


みすてぃっく・あい (ガガガ文庫)

2007年の小説ですね~。そんなに有名な作品でもなければ最近の作品なわけでもないですが、ガガガ文庫なので見事にAudible化されています。Audible化されてるラノベは大体ガガガ文庫がちです。

百合SFミステリーみたいな作品ですね~。当初、新人賞かなんかに投稿したときのタイトルは「虚数の庭」だったらしく、まあそのタイトルみたいな感じの内容です。みすてぃっく・あいの「あい」も恐らく虚数のiなんでしょう。寮に住まう4人の女の子の恋愛を描きつつ、ちょっと違和感ある日常の正体に少しずつ迫っていく話です。結構おもしろかったです。

同志少女よ、敵を撃て


同志少女よ、敵を撃て

ソ連百合ですね~。舞台は独ソ戦下のソ連、主人公はドイツ軍に家族を殺された少女です。主人公が女性スナイパーとして地獄のような戦争を戦う中で、戦争にとっての女性/女性にとっての戦争を表現する作品です。一見すると堅苦しく重苦しいテーマを扱っていますが、いざ読んでみると手に汗握るエキサイティングな小説でもあって、いろいろな楽しみ方ができます。しかも登場人物もキャラが立っていて、全体的にわりとラノベっぽい読みやすい作風になっています。全体的に完成度が死ぬほど高くて超おもしろいです。

早く深夜アニメ化してほしい~って思いますし、アニメかどうかはともかく映像化できるくらいには売れてそうな気もしますけど、でもこの小説が発売された直後にロシアがマジモンの戦争を始めてしまったので当分は厳しいような気もします。

序盤はそこまで百合小説っぽくないかもしれませんが、まあ、おれを信じてほしいです。とはいえ内容がけっこう凄惨なので百合とか言って気軽に消費するのも無邪気すぎるのでは、と思う気持ちもありつつ、まあでも百合は百合だろとも思います。

朗読は青木瑠璃子さんです。緊迫感のあるシーンと弛緩した雰囲気の演じ分けがすごくて、この作品にピッタリでした。

このぬくもりを君と呼ぶんだ


このぬくもりを君と呼ぶんだ (ガガガ文庫)

百合SFですね~。イラストはなんと「やがて君になる」の仲谷鳰さんです(Audibleだと挿絵は見れないのが甚だ残念です。なんとかして!)。

地上に住めなくなって久しい世界に建設された地下都市が舞台です。主な登場人物は、何もかもが作り物でできているフェイクだらけの地下都市に嫌気がさしているレニーと、被差別地区に生まれ育った不良少女のトーカです。二人が地下都市でくっついたり喧嘩したりを繰り返しながら、フェイクではないリアルなものを探し求める姿を描くのがこの小説です。章ごとにレニー視点とトーカ視点が切り替わる安達としまむら方式になっていて、おれは安達としまむらが好きなので良いな~と思います。

百合小説としてはけっこう良かったです。すれ違う二人の気持ちが切ないですねえ~(中島誠之助)。フェイク/リアルを題材とした小説としても(そんなん俺ガイルとコレ以外に存在するのか?とは思いますが)、なかなか興味深かったです。レニーが毎秒「あれはフェイク、これもフェイク…」と身の回りのものにフェイク認定をして回る姿には迫力があります。

まあでも正直、地上に生まれてパーフェクトナチュラルパワーを獲得しているおれとしてはリアルを渇望するレニーの気持ちにそこまでは共感できなかったのも事実です。物質的には恵まれていながらもフェイクを憎むレニーの考えにどこまで共感できるかで評価が分かれる気もします。ただし、おれは読者の平均よりはフェイクを憎む気持ちに共感できているほうだとも自負しています。レニーさんが尖りすぎていて誰も追いつけないのかもしれないですね。

ただ、百合SFと聞いて読んだわりにはSF要素はかなりライトだったなーと思います。正直そこに期待するとがっかりくるんじゃないかと思います。舞台がSFっぽいだけの百合小説だと捉えるといいでしょう。まあでも、SF要素とかそういうのはフェイクな気もするのでこれでいいんだと思います。

レニー役の朗読は朝日奈丸佳さん、トーカ役は本泉莉奈さんです。真に迫ったメチャクチャいい朗読でした。

裏世界ピクニック


裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)

有名な怪談に出てくる怪異がウヨウヨしている謎の異世界を女の子2人が冒険する百合ホラーラノベです。8巻まで出ています。

ドキドキハラハラでメチャ面白いです。謎の異世界(裏世界)が一体なんなんだろう、どうなってるんだろう、という好奇心を軸に読み進めることができます。

おれは神とか霊の類をガチで信じていなくて、そういうわけでホラーコンテンツも「霊とかないじゃん」と冷めてしまってマジで楽しめないタイプなんですが、この作品はホラー要素がわりとちゃんと理屈で詰められていて完成度が高いなと思いました。設定がわりと理詰めで考えられているのでSFにカテゴライズされることも多い作品です。

アニメ化もされている作品なのでいまさら紹介するまでもないような気もしますが、Audibleならアニメ化されていない範囲も聴けるので聴いてみるといいんじゃないでしょうか。

ウは宇宙ヤバイのウ!


ウは宇宙ヤバイのウ!〔新版〕

裏世界ピクニックの作者が昔書いたラノベの改稿版らしいです。もともとは主人公が男だったらしいんですが、あとがきで「改稿に際して百合にしたかったので女主人公にしました」みたいなことを言っていて豪快だなと思いました。

自分のことを普通の女子高生だと思いこんでいる宇宙規模のエージェントの主人公が、宇宙船に搭載されたAIの女の子といっしょに巨大隕石の衝突から地球を守る百合SFです。過去に戻ったり、いまの世界をありえたかもしれない別の世界と混ぜる謎のテクノロジーを使ったりとやりたい放題する宇宙ヤバイ小説です。なかなかおもしろいです。

成瀬シリーズ


成瀬は天下を取りにいく

「成瀬は天下を取りにいく」「成瀬は信じた道をいく」の2冊が出ています。本屋大賞をとって売れまくっている話題の小説ですね。

これが百合なのかはかなり議論が別れるところです。少なくとも女性の同性愛を描いた作品では決してありませんし、女性同士がベタベタくっつくことも無いので百合モクで読むとがっかりするかもしれないです。しかしそれでもおれは、あえて認定したいです。この作品はギリ百合です!

M-1グランプリに出てみたり、200歳まで生きると宣言してみたり、地元の観光大使になろうとしたり、なんにでも挑戦しては突飛な言動で周りを振り回しまくる謎の女・成瀬が主人公です。成瀬がいろんなことに挑戦して、いろんな変な奴に出会って、周りに影響を及ぼしたり及ぼさなかったりする話です。

この作品の百合要素を一手に担っているのが、成瀬と同じマンションに住む幼馴染・島崎です。島崎は「成瀬史を見届けたい」とかいうよくわからない動機で幼い頃から成瀬の言動に付き合っては振り回される相棒ポジションの女です。島崎は自分のことを普通の人間だと思いこんでいるみたいですけど、成瀬に付き合ってM-1グランプリに出場するなど実は(成瀬ほどではないものの)島崎もヤバい奴です。天才変人キャラに付き合ってる自称常識人キャラが実はそいつはそいつでヤバい奴だったパターンっていいですよね。そういうわけで、島崎の人格こそがこの作品の見どころです。

とはいえ島崎は成瀬に恋愛感情を抱いているわけではないですし(でもまあ成瀬にコクられたらなんやかんやOK出しそうな雰囲気はありますけれど)、なにより島崎が出てこない回もわりとあるので、正直百合モクで見るには百合が薄めではあります。けど、話がおもしろいので聴いたほうがいいです。

この小説って、「クレーマーが成瀬と出会っていろいろあるんだけど、最終的にそれでもクレーマーはクレーマーを辞めないし反省もしない」みたいなガチで謎の回が多くて、なんとなくビターで深いような気のする大人の話っぽい展開が多いんですが、一方で文体はメチャクチャ平易で児童文学並に読みやすいギャップがいいなーと思います。内容が難しい小説って文体まで難しくする必要は無いんだなって思いました。正直あんまりエモい話ではないですし、あんまりエキサイティングな話でもないので何故これが本屋大賞なのかは本当に謎なんですが、おれは超好きな小説です。


終わりです。

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せろりんでした。

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