おはせろ!せろりんです。
最近飲んでるお茶3月の部(前回)で「最近カフェイン摂り過ぎでヤバいからカフェインを控えめにする生活をしています」みたいなことを書いた気がするんですが、いろいろあって4月に紹介するお茶は全部カフェイン入りになってしまいました。意思が弱くてすまん。
小龍珠(隆泰商行)
3月の終わりの頃に横浜中華街に行ってきました。で、ここは隆泰商行という中国茶の専門店です。いろんなお茶が売っていて楽しかったです。
お高いジャスミン茶を買っちゃおうかな、と思って店内を物色していたところ、お店の人が、ジャスミンだとコイツがお店で一番良いヤツだ、と言っていたので購入してみました。
50gで1000円でした。隆泰商行はメッチャいろんな中国茶を取り揃えているガチなお店だったんですが、ガチなお店で一番良いヤツなわりにはお手頃な値段です(お茶の相場がわからない人向け解説:50gで1000円は、そこそこいいお値段だけど最高級って感じでは全然ないよね、くらいの値段です)。
ジャスミンは、ベースとなるお茶にジャスミンの花の香りそっと吸着させたお茶です。「ベースとなるお茶」は基本的に緑茶ですが、プーアル茶だったり烏龍茶だったり紅茶だったりすることもあります。今回買ったジャスミン茶は緑茶の新芽がベースになっています。
珍しいことに、このお茶は茶葉がウサギのクソみたいにコロコロしています。製茶する過程で丸めているみたいです。メチャクチャ手間がかかっていますね。
緑茶の新芽を使っているので、新芽特有の白い産毛っぽいのが生えています。産毛のことを中国茶用語で「白毫(ビャクゴウ)」と言うみたいです。紅茶用語で、比較的若い葉っぱのことをオレンジ・ペコーと言うんですが、「ペコー」の語源は実はビャクゴウから来ている、という説があるらしいです。たしかにそれっぽいですね。
中華街で買った月餅みたいな謎のお菓子と一緒にいただいております。
ジャスミンの香りが超強くて、しかも上品です。濃厚な緑茶の苦味がある一方で、スッキリしていて嫌な感じがまったくしません。メチャうまいです。
ジャスミン茶の品質は、茶葉にジャスミンの香りを移す作業をやる回数で決まってくるようです。普通は3回程度らしいですがコイツは7回やっているみたいです。すさまじいですね。
それにしてもジャスミン香の強さがえげつないです。お茶って、どんなものでも3番煎じくらいで味が無くなってしまうのが普通ですが、このお茶は6番煎じあたりまではジャスミンの香りが出て美味しく飲めます。というか、腹がいっぱいになってしまうからおれが試してないだけで、実際は10番煎じとかそのくらいまではそこそこ美味しく飲める説があります。何回も飲めることを考えると、50gで1000円はメチャクチャ安い気がしてきます。そう考えると紅茶やコーヒーは基本的に2番煎じをやらないのでコスパ悪いなとも思います。
ティーポットで淹れた時のこの写真も凄いです。これは3番煎じなんですが、茶葉の形がしっかりと残っているのがわかります。茶葉から微粉末がほとんど出ないので、茶こしが無くても美味しく淹れることができます。ベースの茶葉もめっちゃいいお茶なんでしょうね。
蓮茶(バオロック)
蓮花茶です。中華街で買ったんですが、実はベトナムのお茶です。
蓮花茶は、緑茶に蓮の花の香りを移したお茶です。ジャスミン茶の蓮バージョンですね。
それにしても蓮っていろんなことに使える植物だなと思います。根っこはレンコンだし、葉もお茶になるらしいし、花は美しく、実だって食べられる上に蓮コラにも使える。捨てるとこが無いですね。
お値段は100グラム入って300円くらいでした。ただ、その後に野暮用でカルディにフラっと寄ってみたら、まったく同じものが160円くらいで売っていました。損しちゃったなと思った反面、100グラム160円のお茶ってどうなってんだよと若干怖くなりました。
ジャスミン茶と同じで、蓮花茶も上等なものは花の香りを直接くっつけているようですが、コイツは香料をスプレーしただけっぽいです。
緑茶ベースのお茶なので水色はまんま緑茶と同じです。飲むと不思議な香りが鼻を抜けます。マジで表現が難しく、これ言ったら食レポする人として失格な気はするんですが、買って飲んでみてくださいとしか言えない香りがします。おれは蓮の花の香りを嗅いだことがないのでわからないんですが、恐らくこれが蓮の花の香りなんでしょう。強いて言えばシナモンに近いような甘い香りです。
甘い香りに関しては基本的に好ましいと感じるんですが、ちょっとだけ海藻のような味がするのが気になります。ただ、変な味がするお茶ほどハマったとき好きになりがち、みたいな法則がお茶の世界には存在するので、100グラム飲み終わるまでにメッチャ好きになってる説は普通にあります。主人公と出会ったときの嫌い度が高ければ高いほど後々ツンデレヒロインが主人公のことを好きになっちゃうのと同じ原理です。
ニルギリ カイルベッタ茶園(ルピシア)
ニルギリ(紅茶)が飲みてえなーと思ってルピシアに行ったところ、ちょうど今が旬(かっこいい専門用語で言うとクオリティシーズン)だということなので、やったーと思いながら買って帰ったカイルベッタ茶園のニルギリです。
多くの場合、紅茶の名前は茶葉が採れた場所の地名がそのまま使われます。有名なダージリンもアッサムもインドの地名です。静岡茶とか知覧茶みたいなノリですね。そういうわけなので「ニルギル」もインドの地名です。
ニルギリとは現地の言葉で「青い山」という意味なので、ニルギリは紅茶のブルーマウンテンと呼ばれることもあるらしいです。お茶の二つ名をそんな雑な言葉遊びで決めていいのかは流石に謎です。
それはそうと、せろりんが好きな異世界アニメにラピスリライツというのがあるんですが、9話ではカフェのメニューとして「ニルギリのレモンティー」が登場します。あの世界にもインドが存在しているっぽくて安心です。あと、ニルギリはレモンティーと相性が良いとされるお茶なので、ラピスリライツはお茶のことをよくわかっている人がセリフを書いているっぽいです。
茶葉はブロークン(粉砕して味を抽出しやすくした茶葉)です。ただ、一般的なブロークン茶葉と比べると粉砕が優しめで、ひとカケラがデカいです。
水色は若干明るめです。
基本的にはザ・紅茶な味なんですが、その奥からいろいろな味がしてきます。同時に柑橘の皮のようなフルーティでわかりやすい香りが鼻を抜け、さわやかでとても美味しいです。
旬だからなのかわかりませんが、今まで飲んできたニルギリよりも柑橘の香りが強いです。それはそうと「柑橘の味がして美味しい」みたいなことを言うと、「いや柑橘の味がほしいなら普通の紅茶に柑橘類をぶち込んでしまえばいいだけだろ」というツッコミが発生します。これは「この日本酒はフルーティーで美味しい」に対して「じゃあフルーツ食えよ」というツッコミが発生しがちなのと同じで、我々人類はこの手のツッコミに対抗できる有効な理論武装をいまだに構築できていません。ダージリン紅茶も上質なものはマスカットの味がするんですが、あれだって「普通の紅茶にマスカット入れろよ」と言われると何も反論できず、ただただ「いや、それはなんか違うじゃん」みたいなふわっとしたことを言って誤魔化すばかりです。それはそうと普通の紅茶に柑橘類の香りをぶち込んだ紅茶茶葉は実際に存在し、アールグレイの名で知られています。
この紅茶、お値段は50gで800円でした。紅茶としては少し高級かな、と感じる程度のお値段ですが、ホンモノのブルーマウンテンと比べると全然安いです。そんで、ホンモノのブルマンのようにわかりやすく誰からも愛される美味しさがあるわけではないので、やっぱり紅茶のブルーマウンテンを名乗るのはちょっと無理があると思います。
ちなみにルピシアの棚の隣に、同じ茶園だけどグレードの違うニルギリが50g1900円で売られていて何事かと思いました。50g1900円は紅茶だと最高級クラスです。おれはニルギリが好きなので興味はすごくあったんですが、さすがに値段がヤバいので泣く泣く安い方を選びました。はやくビッグになって高い紅茶をバンバン買えるようになりたいですが、こういうとき安い方を選んでしまう時点でビッグになるのはまず無理な気もします。あと冷静に考えるとビッグになって5000兆円ゲットするのと、ビッグにならずに5000兆円ゲットするのだったら絶対に後者のほうがいいと思います。
今月の茶菓子
中華街で買った山査餅です。サンザシという木の実のドライフルーツを食べやすく加工したものです。こんだけ入って150円くらいでした。
10円玉くらいの大きさに加工されていてメチャ食べやすいです。梱包が怪しさマックスですが、中身はちゃんとうまいです。
独特の味わいで表現が難しいんですが、強いて言えばレーズンのような味です。ただしレーズンよりは糖分マシマシでどんなお茶にも合います。おれはサンザシがメッチャ好きで、どのくらい好きなのかと言うと高校生の頃から好きなんですが、そういえば部活の行事で横浜に行った次の日に、中華街で買ったコイツを担任にあげたらすげえ微妙な顔をされたのを思い出しました。今なら理由がわかります。そりゃこんな花火みたいなパッケージのものは食べたくないですよね。今からでも謝ったほうがいいような気がしてきました。
終わりだよ~。
せろりんでした。
コメント