せろりんでーす。
おれが最近飲んでるお茶を紹介する謎の企画、6月の部です。
ヤミー(ルピシア)
「ヤミー」です。yummyは「うまい」みたいな意味の英単語なわけですが、天下のルピシアが自分んとこの商品にそんな名前を付けるだなんてどんだけ自信があるんだよと気になっていた商品です(ルピシアはへんな商品名をつけがちなお店です)。
50gで700円くらいでした。
「ヤミー」は要するに、ルイボスの茶葉にイチゴとバニラの香りを加えたお茶です。巨人大鵬卵焼きみたいな組み合わせですね。
おれは知っています。この手のコテコテに香りを付けまくったお茶は、濃い目に抽出してミルクと砂糖を入れて激甘にして飲むに限ります。
おいちぃです。そりゃそうです。ルイボスもイチゴもバニラも、全て牛乳に合う食品です。ルイボスにイチゴとバニラの香りを付けたお茶のミルクティーが美味いのは、今日もポストが赤いのと同じくらい当たり前のことです。
おれはこういうブログをやっているので、味や香りの情報を言語で伝えることの難しさを、よく理解しているつもりです。ところがどっこい、この「ヤミー」に関しては「不二家ミルキーをそのままお茶にしたような味です」とだけ言えば味の情報の100パーセントを皆さんに伝えることができます。
ストレートでも普通にうまいですが、やっぱミルクと砂糖をアホみたいに入れたほうが、ガツンと来てくせになります。
そういえば「yummy」は「おいちぃ」と訳すのがちょうどいいくらいの非常に幼稚な表現らしく、ネイティブの人はめったに使わない単語らしいです。このお茶は幼児的美味しさを追求したお茶なので、商品名が「yummy」なのはバチクソに納得がいきます。
「でもティーバッグじゃないんでしょ?ポットも茶こしも持ってないし、淹れるのめんどくさそう」とお悩みの皆さん!ルピシアでは、ヤミーに限らず大体のお茶がティーバッグでも用意されています。様々な理由でティーバッグしか買わない人でも安心です。
ルフナ ルンビニ茶園(カレルチャペック紅茶店)
スリランカ島で採れるお紅茶のことをセイロン茶と呼ぶんですが、コイツはセイロン茶の一種で「ルフナ」というものです。
日本茶にもいろいろあるのと同様にセイロン茶にもいろいろな銘柄があり、同じ島で採れるお茶なのに、それぞれ銘柄によって、おれごときでもハッキリわかるくらいマジで味が全然違います。味が違うのは(主に)気候が違うからで、気候が違うのは(主に)標高が違うからだと言われているんですが、「ルフナ」は南国・スリランカの中でも、標高の低い温かい地域で栽培されるお茶です。
で、こいつはカレルチャペック紅茶店という紅茶屋さんが売っている、ルンビニ茶園という農家さんのルフナです。Amazonで購入して20パック入り972円でした。うさぎの絵がかわいいですね。うさぎに紅茶あげちゃ駄目な気もしますけど。
カレルチャペックのブランド代が入っている説はありますが、1杯50円するのでそこそこ高級品です。ルフナは基本的には安いお茶なので、この製品のような単一茶園の高級品はそこそこレアです。
色がメチャ濃いですね。水色も濃いですが味もめっちゃ濃いです。苦味やコクや旨味や甘みの圧力がすごいです。じゃあ渋みが強く飲みにくいお茶なのかと言われると、実はそんなことはなく、ティーバッグを取り出すのを忘れて20分くらい放置してしまってもそこまで渋くなりません。
華やかな香りは無いんですが、代わりに紅茶らしい燻ったような香りが押し寄せ、その後には微かに黒糖やカラメルのような良い香りを感じます。
ルフナといえば黒糖のような芳しい香りが売りな紅茶なんですが、カレルチャペックのルフナは他のルフナと比較しても特別に黒糖のような香りが強い気がします。うめ~マジで。
ストレートでもかなりうまいんですが、ミルクティーにすると大変飲みやすく、しかもミルクの味わいに紅茶が負けておらず、というか圧勝しており、メチャうまいです。でもストレートで飲んで黒糖のような風味をダイレクトに楽しむのもとてもステキで、どうやって飲むか悩んでしまうお茶です。
ミルクで煮出してスパイスを入れてチャイにしてもうまいです。うめ~。
フルーツ麦茶 すいか
ひとつの俳句に2つ以上の季語が入っている状態のことを「季重なり」と言うらしいです。そんで、「季重なりの技法自体はべつにダメなわけじゃないけど、扱うのが難しくてダメな句になりがちなので、季重なりは安易に詠まないほうが良いよね」というセオリーが、俳句の世界にはどうもあるらしいです。強い人が使ったときだけ強い格ゲーのキャラみたいな感じですね。季重なりをやるとダメな句になりがちな理由は、17音に季語が複数入っていると季語同士が喧嘩して暑苦しい感じがするからだそうです(これについてはさすがに諸説あると思います。おれは俳句については全然なにもわからないので、このへんの文章はかなり無責任に書いており、しかも内容は偉い先生が言っていたことの受け売りです)。お茶だってそのへんは同じで、味の濃いお茶をフレーバードにすると美味しくないし、香りの良いお茶をミルクティーにするともったいないです。
で、その季重なりをモロにやっちゃってるお茶が三國屋善五郎の「フルーツ麦茶すいか」です。麦茶もスイカも夏の季語である上に、強烈に夏を想起させる食べ物でもあります。あーあ、季重なりの句は難しいのに、そんなお茶を作っちゃっていいんでしょうか。
1L用ティーバッグが10袋入って734円でした。リッター73.4円なので灯油と同じくらいの値段ですね。
このお茶は2月の部で紹介したフルーツ麦茶はくとうと同じシリーズの商品です。
パッケージを開けるとスイカバーっぽい香料丸出しの香りがします。ところが、いざお茶にして口にしてみると香料っぽさはかなり控えめで、自然なスイカの香りをほのかに感じます。
おれは麦茶のことはよくわからないので当てずっぽうで言っているんですが、たぶん麦茶自体もかなり良いものを使っています。雑味がほぼ無い上に、甘みが非常に強い麦茶で、お茶のかすかな甘みがスイカの甘さを想起させます。
スイカの香りがやさしい甘さを期待させて、麦茶の甘さがそれを充足する、というハイレベルな連携が成立している神フレーバーティーです。これには季重なりアンチもだんまりを決め込むばかりです。強い人が使ったときだけ強い格ゲーのキャラを強い人が使っちゃった感じです。まーじでうまいお茶です。うますぎる・・・・・・・。
このお茶を飲むと、あーあ、朝6時に起きてラジオ体操行ってスイカと麦茶で水分補給して友達とプール行ってアイス買い食いして帰ったらそうめん食ってグッスリ寝てたあの頃に戻りてえな、なんて思ってしまうんですが、冷静に考えるとせろりん家は麦茶をほぼ飲まない家庭だったので、この美しい記憶は実は偽記憶であることがすぐにわかります。さらに冷静に考えると、いくら小学生だからって、おれが休みの日に6時起きして律儀にラジオ体操に行っていたわけがないですし、そもそも友達もあんまりいなかった気がするので、おれの人生は何もかもがフェイク、何もかもがフェイクです。
終わりだよ~
ダッツの濃香ロイヤルミルクティーを食べました。ダッツがうまいのは今日もカラスが黒いのと同じくらい当然のことなのでわざわざ言うまでもないんですが、うまかったです。
それはそうと、ムムッこの味はアッサム茶だなと思い商品名でググってみたら本当にアッサムを使っているみたいで、利き紅茶に成功してちょっと嬉しくなりました。
紅茶の良さの一つに、銘柄ごとに味がかなりハッキリ違う、というのがあります。おれはコーヒーもけっこう好きなんですが、利きコーヒーができるかと言われると正直まったく自信がありません。コーヒーなんてどれもそこまで違わねえじゃんと思ってしまいます。ところが紅茶に関しては、(混ぜ物のないお茶で)(ディンブラみたいな無個性なヤツではなく)(フレーバードではなく)(ウダプセラワみたいなおれが飲んだことの無い産地でなければ)そこそこの確率で産地を当てる自信があります。でもこれは別におれがすごいわけではなく、おれに限らず紅茶オタクは誰だってある程度は利き紅茶ができます。
利き紅茶ができるのはおれが凄いからでは決してなく、お茶という植物が凄いからです。紅茶は産地が違うだけで味もガチで全然違うので、おれのような味音痴でもハッキリ味の違いを認識できるのです。手っ取り早くガクチカがほしい人は利き紅茶をやってみるといいでしょう。
終わりだよ~
せろりんでした。
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